にぎやかな下校生徒の列
部活帰りの 楽しそうな会話
それから離れてうしろにひとり
少年が歩いている
奇数も偶数も関係なく
彼は変わらずひとりでいた
誰も見向きはしない
その存在には気づかない
「今ここで 僕が消えたとしても
どうせアナタ方は気づかないのでしょう?」
そう言って カッターナイフを取り出す
はっきりと呟いた「サヨウナラ」に
振り返る者は誰もいない
カッターの落ちる音が響いたけれど
その音は談笑にかき消された