争いの絶えないこの世界
戦争をすれば人が死ぬし
勝負に負ければ惨めで悔しい
じゃんけんだって負ければ快くない
生きてゆけば何れ訪れる競争
避けられない途
そして片方は敗れる運命
必ず生まれる敗者と
彼等の悔い 屈辱 僻み 恨み 妬み 悲しみ
等しく訪れる苦しみ
誰かが喜ぶ横で誰かが苦しむのは
誰かが笑う横で誰かが泣くのは嫌だ
犠牲を必要としてまで
あなた方は幸せになりたいのですか?
僕は違う
僕は誰も傷つけたくない
犠牲を出せるほど強くない
そうは言っていても
ものを食べる
エネルギーを使う
ここにいて息をする
生きている
それだけで消える命がある
誰かを犠牲にしている
僕は誰も傷つけたくない
そう叫んで空へ跳んだ
僕が死んで
僕の死で
僕の犠牲で
誰か幸せになれたかな
はい、おわかりいただけたでしょうか。
ちなみに題の『Night Hawk』は『夜鷹』という鳥のことです。
よだかの星、という宮沢賢治さんの作品が、似たようなテーマを扱……え?似てない?
最後の方の「飛んだ」ってのは、飛び降りるっていうより鳥っぽいかなあと。
ご一読ありがとうございました。
昔書いたものを順番に載せていってるだけなので、黒い作品が多いですね。
たまには趣向を変えて、灰色作品なんか載せましょうかね。