カル村の小説置場です。拙い文章ですがお付き合い頂ければ幸いです。
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死にネタではないですが個人的に黒なので黒にカテゴライズしておきます。
タイトルが鮮やかなのに黒カテゴリとは滑稽なのに笑えません。

追記からどうぞ。
















 死にたくなかった。
 貶されて腐されて蔑ろにされた。何度も「死ね」と言われた。何度も泣いた。何度も手首を切った。
 だけど、死にたくはなかった。何度建物の屋上に立っても、飛び降りることは出来なかった。
 死んでも死ななくても俺がひとりであることは変わらなかった。けれど、死ぬのは怖くて死ねなかった。

 あなたと出会った。
 あなたは俺の全部を受け入れてくれた。どれだけ弱さを晒け出してもどれだけ泣き言を言っても、あなたはずっと傍で聞いてくれていた。
 俺の存在を初めて認めてくれた。存在することを許してくれた。初めて愛してくれた。俺も、初めて誰かを愛した。初めての大切な人ができた。

 とある時あなたが言った。
  君は、死にたいかい?
 俺は、首を振って答えた。
  死にたくない。
 そうすると、あなたは哀しそうに笑って言った。
  それじゃだめ。
  別の答えが出せたらおいで。
  それまで傍にはいられない。
 そう言って、あなたは俺の前から消えた。


 それじゃだめ。
 「死にたくない」じゃだめ。
 死なないことがだめ? なら、消えろというのか。死ねというのか。
 嫌だ。死にたくない。大切なあなたの傍にいたい。大好きなあなたと一緒にいたい。あなたと生きていたい。

 生きていたい?
 自分が放った言葉に止まる。
 俺は、俺は。ああ、そうか。そうなのだ。俺は。

 もう一度、あなたの前に立った。自分の見つけた答えを持って。
 あなたは、あの時と同じように言った。
  君は、死にたいかい?
 俺は首を横に振った。そして言った。
  俺は、生きていたい。
 あなたの目を見つめる。すると言葉より先に、あなたは目から雫をこぼした。そして、涙を拭って、あなたは笑った。

 俺は、死にたくなくなった。
 俺は、生きていたくなった。


 

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